「にわとしは朝食の時間だよね。今聞きに行っても答えてくれないだろうから、まずはひよこのところに行ってみよっと」
 顔を洗ってさっぱりした顔でそう言ったぶたろうは、目の前の広場の向こう側にある、メスのニワトリ小屋へと向かいました。


 ここも朝食の時間のようでしたが、声をかけても大丈夫そうな様子だったので、ぶたろうは、ちょっと控えめな声でひよこを呼んでみることにしました。
「ひよこ〜、聞きたいことがあるんだけど、ちょっといい?」
「そのこえはぶたろうですか?」
 ある一羽の雌鳥の影から顔を出した小さな黄色いヒヨコは、ぶたろうを見つけると、小屋から出てきました。
「どうなさったのです? こんなあさはやくに」
「あのね、ショウヤから手紙が来てさ……」
「またですの?」
 ちらりとこちらを見るひよこ……ってこっちを見ちゃダメだって!!
「それで、なんですの?」
 何事もなかったかのように私から目をそらしたひよこは、そうぶたろうに聞きました。
「『もらって嬉しいもの、リサーチせよ』って書いてあったんだけど、『リサーチ』がなんなのか分からなくって……。ひよこ、知ってる?」
「よく“てれび”などできくことばですわね」
 ひよこの言葉に、ふんふんと頷くぶたろうでしたが、ひよこの次の言葉に一気に肩を落としてしまいます。
「あいにくですが、わたくしはきいたことがあっても、あなたにおしえられるほどそのことばをしりませんわ」
「……そっか」
 期待していた分、落ち込みも激しいようで、ひよこも少し悪いことをしたような顔をしています。
 小さく息を吐いた彼女は、ぶたろうにこう言います。
「こういうことはひつじいにきいたほうがよろしいのでは?」
「ひつじい?」
「ことばのことなら、じしょをもっているひつじいにきいたほうがかくじつだとおもいますわ」
「そっか! そうだね!!」
 それを聞いたぶたろうはすっかり元気になりました。
「ありがと、ひよこ。そうしてみる!」
「せいぜいがんばってくださいませ」
 ひよこはいそいそとヒツジ小屋へ向かうぶたろうの背中にそう言うと、再び自分の小屋の中へと戻って行きました。








 さぁ、ひつじいに聞きに行ってみましょう!


 → ひつじい








 参考 『明解!キャラクター紹介☆』