まるで
あの月のようだと思う。
不完全であるのに
自らを鋭く閃かせ
何者をも寄せ付けることなく
独り
煌々と光る
そう、私はあの三日月のようだ・・・
+++月+++
夜更け。空に浮かんだ月が世界に広がる闇に静かな光を燈している。優しく吹く風はほんのりと温かく、春の趣を醸す。
眠りの季節から明けた生き物たちは漸く訪れた目覚めに微睡みながらも迎えた生の季節に緩やかに歓喜の唄を歌う。小さな虫の澄んだ音が無音の世界響いていた。その音は近く遠く、時にか細く時に一斉に興され、奏者達の演奏は聴く者の耳を楽しませる。
そんな穏やかな春の夜に似つかわしくなく『そこ』は慌しく人々の行き交う足音が響き、どこか騒然とした雰囲気に包まれていた。そして殊、敷内に広く建てられた城の離れにある塔の屋上では寧ろ冷ややかな空気すら漂っている。
「何をしておいでか、ユウリ殿?」
聞きなれたいつもの無愛想な声の端にちらつく感情は怒りか、はたまた呆れなのか・・・ともかく呼ばれた方はそんな声の主の秘めた感情を知ってか知らずか、満面の笑みを持って迎えた。
「ああ、シュウ。ナイスタイミング」
「・・・ほう・・・?」
爽やか過ぎる微笑にシュウは負けず劣らずの極上の微笑を作りその意図を問うように相槌を打つ。
「はは、シュウってば。笑ってるのに何ていうか・・・・ちょっと寒さすら覚える笑顔だね。でも、やっぱり笑顔って言うのは青スジを立てながらするものじゃないと思うんだよね。顔はいいんだから、ホラ、もっと優しく・・・・ね」
相変わらずニコニコとしながら笑顔のアドバイスを与える国主に宰相は鋭く尖らせた棘に猛毒をたっぷり含ませたような微笑みを浮かべた。
「・・・・然るべき時にはそのようにしますのでその様なご心配は無用です。・・・が御助言有難く受け取りましょう・・・。それで?このようなところで何をなさっていたのかを伺いたいのですが?」
問いかけるシュウの顔を見て、自分の後ろでセッティングした酒瓶とグラスを見たユウリは最後に空を指差す。
「ご覧の通り。月見酒を・・・・」
闇から溶け出したような濃紺の空は高く、どこまでも続く。雲の少ない夜空に広がる満天の星々に囲まれるように輝く新円の月を指して、相変わらず飄々とした口調でユウリはそう言った。
「・・・執務を抜け出して・・・・ですか」
すっ・・・と細められたシュウの目を見てもなお構わずユウリは大真面目な顔をして頷く。シュウのこめかみがピクリと動き、次いで大きな溜息が漏れる。
「成る程・・・。城内は消えてしまった貴方を探しててんやわんやだと言うのに、当の御本人は呑気に執務も放り出して月見酒ですか。良いご身分ですね」
「僕としては一国の国主を掴まえて身分を問う宰相も相当な身分だと思うけどなぁ・・・」
「ユウリ殿。話の腰を折らないでいただきたい」
ぴしゃりと反論を跳ね除けられてユウリは思わず口を噤む。
「よろしいですか?我が国はご存知の通り出来たばかりの弱小国。砂の城です。大きな波に浚われればそれまで・・・・」
塔の壁を2、3度叩き、そこで一度言葉を切るとシュウは改めて腹立たしいまでにのほほんとした国主の顔を見据えた。
「・・・それでもそんな国に集まった国民が『貴方の為に』払った血税で、このように月見酒などと。何時から我が国はそれほど豊かに?王よ」
厳しい言葉にユウリは暫く黙したままシュウの漆黒の瞳を見つめていたが、おもむろにその肩に片手を置いた。
「シュウ。僕はね、こう思うんだ」
「なんでしょう」
「勿論僕はこの国を担う責の重さを分かっているつもりだしそれを軽んじるつもりはない。僕は常に良い国を造るためにはどうすべきかを考えなくてはならない」
「当然です」
「良い国を造るためには何が必要か・・・」
そこで、ユウリは空いた手の拳を硬く握り締めた。
「それは、余裕!人生を愉しむように国造りを楽しめる!!そんな心の余裕が必要だと常日頃僕は思っているっ!!」
「・・・・・・・」
瞳をキラキラさせながら力強くそうのたもうた国主の言葉に、気の毒な宰相は言葉を失って目を剥いき・・・・そして固まった。
「不必要なまでに大仰な椅子に座ったり、やたら広い机の前で政務に励むも結構。しかし、例えば月を見て、酒を嗜み、国の未来を語る!そんな心の余裕も時には必要だと思うんだよねっ」
シュウが黙り込んだのをいいことにユウリはますます勢いをつけて己の考えを言い募らせる。
「それで良い国が造られるならばシュウの言うところの血税とやらもあながち使い方は間違ってはいまい!それに僕にはお小遣いがないから国民が僕の為にくれるものでしか買い物は出来ないからこれはもうしょうがないことだよね」
力一杯力説した後、ユウリは満足げに頷くと温かくシュウの肩を2、3度叩き、くるりと背を向けて塔の端からひょいと下を見やった。塔の下では何人もの兵士達が慌しげに駆け回り、主を探している姿が窺える。
「・・・・なんだか・・・妙に今日は張り切ってるなぁ・・・。・・・ともかく彼らの給料も『血税』から出ているわけだし、シュウに見つかった以上僕を探させるのも気の毒か・・・・」
そう独りごちたユウリは塀の影に身を隠して大きく息を吸い込んだ。
「おおーい!王が見つかったぞー!!シュウ様が首根っこを捕まえて部屋に連れて行ったそうだぞー!!」
ギョッとした様に主の顔を見るシュウを楽しそうに笑いながら見たユウリはひょいと下の様子を窺うと、先程まで走り回っていた兵士たちは皆ぞろぞろと集まり、何事か話していた。
「なんだーもう見つけられてしまったか・・・」
「くっそー・・・今回も逃したなぁ・・・・」
「しかも今回もシュウ様とは・・・・今度こそはと思ったのに!!」
そんな会話が耳に入ってきて妙に悔しがる兵たちの姿にユウリは不審気に首をひねる。
「しかし、10,000ポッチはでかいよなぁ・・・・」
「今回の賞金は破格だったよなっ!それだけに・・・くそー!一体どこにいらっしゃったのか・・・」
「おれ、今度それとなくシュウ様に探索ポイントを聞きだしてみようかな・・・」
「おっ、マジか?!それ、俺にも教えてくれよ!それで次のとき王を見つけたら山分けな!」
そう言って部屋に戻っていく兵たちの会話を聞いたユウリは眉間にしわを寄せて後ろを振り返る。宰相といえば素知らぬ顔をして国主の顔を見かえしていた。
「賞金?・・・・10,000ポッチを?」
「ええ」
「確か、前は食堂での『特製豪華ランチ☆』食事券(1,000ポッチ分)じゃなかった?」
「そうでしたね」
涼やかに答えるシュウの顔をまじまじとみてユウリは信じられないといった顔をした。
「国民の血税をなんだと思っているんだ・・・」
「貴方にだけはいわれなくない」
即答で返されたユウリは難しげな顔をして小さく呟いた。
「・・・・これは・・・無駄な出費を防ぐためにも是非ともシュウに見つけてもらわねば・・・・」
「貴方が抜け出さなければ、その出費も無駄な労力も無くなるだろうが!この放蕩王がっ」
「うおっ・・・・なんで聞こえてるのさ・・・」
悪びれない国主の姿にシュウは頭が痛いといわんばかりの大きな溜息をつく。
「・・・まったく・・・・デュナン統一戦争の時はもっと素直で可愛げがあったものを・・・・」
「やだなぁ・・・昔の話をするなんて年寄りの証拠だとは思わない?・・・さて置き、兵士たちも戻って人目を気にしなくてもよくなったことだし?座って座って」
にこにこと笑うユウリの姿に諦めたように首を振るとシュウは示された場所に疲れたように座った。
「疲れたときは酒が一番っ!日ごろの憂さも晴れるって昔ビクトールがから聞いたんだよね。幸いここには酒もつまみも揃ってるし」
そう楽しげに言いながら何本かあるワインのラベルを見ていたユウリは、御目当ての物を見つけたのか早速「ええと。栓抜きは・・と」と呟きながら辺りを見回す。疲れと憂さの原因を恨めしげに見ながらシュウは自分の近くに置いてあった栓抜きを取り上げユウリに渡した。礼を言ってユウリは手際よく栓を外し、用意したグラスにその中身を注ぐ。
「はい、どーぞ。・・・・じゃあ、乾杯!!」
「・・・・どうも・・・・」
一体何に乾杯をすればいいのかもわからず陰気にそう呟くシュウのグラスに軽く自分のグラスをあてるとユウリは楽しげにワインを飲み下す。溜息をついてシュウもそれに倣いグラスに口をつけ一口飲む。
「・・・・?」
直ぐに何かに気付いたようにシュウはもう一度グラスの中を見て一口、口に含むと先程ユウリの持っていたボトルを取り上げて見て首をかしげた。
「・・・・・これは・・・?」
「これは交易で手に入れたお酒・・・・・・と・・・」
そこまで言ってユウリは慌てたように口を押さえた。シュウはチラリと様子を見るユウリの顔をじっと睨む。
「・・・・まさか・・・・また城下に・・・?」
「ええとぉ・・・・まま、ホラホラ。こっちのは今年の新作のお酒!ミューズの方で作られたやつだから珍しいよ」
誤魔化すように空になったグラスに新たに封を開けたワインを注ぐユウリにシュウは本日何度目かの大きな溜息をつく。その溜息には諦めの色が濃く、ユウリは流石に苦笑をした。
「・・・今日は、もう怒る気力もない・・・・・・・」
力なくそう言ってシュウは注がれた新たなワインを勧められるままに飲み・・・・そして、今度こそ驚いたように目を見開く。明らかな味の違い。信じられないといった風にシュウは空になったグラスを見た。
「ユウリ殿・・・これは・・・・この酒は・・・・」
驚くシュウの顔を見たユウリは満足げに微笑むと自分のグラスの中身を飲み干した。
「・・・・流石、我らが宰相殿。政治の手腕も然る事ながら舌も肥えていらっしゃる」
ニコリと笑い、始めに飲んだ方のボトルを持ち上げた。
「これは、今出回ってるワイン。主流なのはやっぱり、安価で物がいいグリンヒルの方で作られた物だね。でも、昨年あちらは雨が多くて葡萄の粒が小さかった上に不作だったらしい。例年通りの物を作ろうと奮闘したらしいけど味を見れば明らかに落ちているのがわかる・・・で、一方こっち・・・」
そう言って二回目に飲んだほうのボトルを持ち上げてシュウに手渡す。シュウは手渡されたボトルを見つめる。確かに見覚えのないラベルに、銘だった。何より、ミューズ地方でのワイナリーは聞いたことがない。
「ミューズの辺りで作られたものとのことだが・・・あちらには醸造所は無かった筈では・・・?」
ミューズの辺りの地形などを思い出すように言ったシュウの言葉にユウリは頷く。
「そう、無かった。でも出来たんだ。何でもグレッグミンスターの腕のいい職人の一人が親の不幸があって里に帰ったんだって。そこで小さなワイナリーを作ったんだけどこれが驚くほどに味がいい。しかも小さな所でそんなに知られていないから値もまだ付いてない。因みにこれはまだ市場には出てない。あと二月ほど先に本格的に出す予定らしいね」
ユウリの言葉を聞き、シュウは大きく頷く。もう一度ラベルとその銘を見て頭の中に記憶する。
「早速我が国で買い取りましょう。これほどの味のものなら良い値がついて回る」
「うん。まだどこもノーチェックだと聞いてるけど、手配は急いだ方がいい。あ、これも渡しておく。詳しい情報と、ここを教えてくれた所の名前。ここからの紹介だって言うと多分スムーズだと思うよ」
メモを書かれた紙を受け取りながらシュウはまじまじと酒の味を愉しんでいる主の顔を見つめた。憎らしいまでにのんびりとした面構えに腹立たしさと、この、先を見据える能力と情報収集の手早さに対する感嘆の念が同時に沸きあがり何とも複雑な気分に襲われる。
シュウとて常から情報のアンテナは張り巡らせ各国に送った使者からの報告も欠かさず読んでいるが、この目の前の楽観主義者は時に自分の予想もしないものを何事もないように目の前に差し出してくる。シュウは丁寧に手書きで書かれたメモをじっと見つめ、そして小さく息をつく。
「・・・ん?どうかした?」
物憂げな顔の宰相の顔を見てユウリは小首をかしげる。そんな仕草にどこか懐かしい子供っぽさがみえるのは、変わらない姿故なのかそれともシュウがいつまでもユウリが幼いままでいて欲しいと密かに願う故なのか・・・。
「・・・いや、少し情けなくなっただけです」
「・・・情けないって・・・・確かに税金使って趣味の買い物するし、週に3回はこっそり城を抜け出しては町で酒飲んだり賭け事したりする王様は情けないかもしれないけど・・・・・」
「違います、貴方ではなく自分が・・・・情けなくなって」
ユウリの言葉を遮りシュウは軽く首を振ると自嘲気味に哂った。
「これは私の些細な愚痴だから聞き流していただいて結構ですが・・・時に私などは必要ないのではと思う時があるのです。軍師であった頃は己の策一つで軍の命運がかかっていましたが、今では貴方も国主としての判断が下せるようにもなったし、このように情報を集め、それを選別する能力もある。各機関の者達の人事も大体安定しましたし・・・私などは御役御免な気がしてくるのですよ」
珍しく弱気なシュウの言葉をユウリは黙って聴いていた。シュウが言葉を途切れさせると、少し考えるように沈黙していたが不意にシュウが先程置いたグラスを取るとそこにミューズの酒を注ぎ、ずいっとシュウの目の前にそれを差し出した。
「・・・・ユウリ殿・・?」
「飲んで」
にこりと微笑みながらワインを差し出すユウリに戸惑いながらもグラスを受け取ると注がれた紅い透明な液体を喉に流す。ふわりと広がる甘い香りの中にしっかりとした深さもある味。後口はさらりと心地よく飲み干してしまうと、またグラスに注ぎたくなる・・・そんな後を引く美味さだ。
「美味しい?」
顔を覗き込まれるように聞かれシュウはコクリと頷く。
「ええ」
「うん」
シュウの反応に満足げに相槌を打つとユウリは再びシュウのグラスに酒を注ぎ、自分のグラスにも注ぐ。
「ねえ、シュウ。なぜ、このワインを僕が見つけたか解る?」
顔の横に先程自分で注いだワインを掲げてユウリはそう尋ねた。シュウはワインとユウリの顔を交互に見て首を振る。
「僕はシュウにワインをあげようと探してたらここにたどり着いたんだ」
「はぁ・・・」
ユウリの言っていることの意図が読めず、シュウは間抜けな返事を返す。ユウリは苦笑を浮かべてワインを一口飲んだ。
「・・・だから、・・・こんなこというとシュウは怒るかもしれないけど・・・僕は別に意図して国の為にこのワインの話を集めたわけじゃなくて、唯シュウに美味しいワインをあげたくて色んな所を廻って探しをしているうちに偶然このワイン事を知り得て、聞けばさっきみたいな事情だったから、じゃあその事もシュウに言えば何かに使えるかなって・・・・」
「・・・つまり、この情報はそのワインを手に入れたついでだと?」
「・・・うん・・・まあ・・・そうかな・・・」
確認するようなシュウの問いにバツが悪そうにユウリは頷く。とはいえ、未だユウリの言葉の意図が汲めずにいるシュウはその続きの言葉を待つように幼い面の主の顔を見つめる。ユウリはそんなシュウの姿に今度は可笑しそうに笑いながら言葉を続ける。
「この国は弱小だけど、幸い人材には恵まれている。僕みたいな王様で国が成り立ってるんだからね。実際僕はそんな人材たちの事を信用しているから、彼らの仕事は彼らに任せるべきだと思ってるし、僕は彼らなしには国を支えることは出来ないと思う。だから、彼らがより仕事のしやすい環境を作ることが僕の仕事だと思ってる。偉そうな事をいえば、『国を造るのは王ではなく、国民である』ってのが僕の持論。あくまで王様は国の付属品だからね」
酒を飲みながらユウリは楽しそうに語る。
「だからわざわざ専門家たる彼らの仕事に頭を突っ込むような事はするつもりはなくって・・・例えば、美味しいワインを見つけて、それをこうして綺麗な月の下でシュウと今みたいに晩酌しながら過ごしたいっていう僕の趣味ゆえの行動・・・というか・・・まあ、そんなわけなんだよね」
ユウリは食堂からくすねてきたつまみをひょいと口の中に入れて食べると、シュウにも差し出す。シュウは苦笑しながら差し出されたものを受け取った。そういうわけだからそんな事を気に病む必要はない・・・そう言外に言われているような気がしてシュウは小さく笑いながら溜息をついた。
「それにね・・・」
悪戯そうにユウリは言葉を続ける。
「それに?」
「それに、シュウがいなくちゃ僕を叱ってくれる人がいなくなって城のみんなが本当に大変だと思うよ」
ユウリの言葉にシュウは思わず目を瞬かせ、・・・・そして、力が抜けたように笑った。
「・・・・まったく・・・だから貴方には適わない・・・・」
「・・・・・何が?」
「そういうところが、です。羨ましい限りだ。・・・・褒め言葉ですよ。念のため」
シュウの言葉にユウリは首をひねる。そんなユウリに肩をすくめるとシュウはグラスを満たすワインに映って揺れる月を見て微笑む。
この、満たされた気持ち・・・・・・
不完全で
人を寄せ付けず
独り、煌々と光る
例えば、己は三日月のようだ・・・
―――けれど、
シュウは想う。
彼がいる限り、私は満たされるのだ・・・・・と。
今宵、自分たちを照らす
あの美しい月のように・・・・
「ところで・・・・ユウリ殿。先程聞き捨てならない言葉をお聞きしたような気がしたのですが?」
「・・・・・ん・・・・?」
「週に3回も抜け出しあまつさえ、あろう事か酒や賭け事に興じていらっしゃるというのは真ですか?」
「・・・・・・・あれ、・・・・・・聞こえてたんだ・・・?」
「貴方は、どうにも御自分の立場というものを解っていらっしゃらないようですね」
「・・・・いやいやいや、待った!あれには続きがあって・・・・」
「よろしい。聞きましょう」
「ええ・・・・・と・・・だから・・・・・つまり・・・・・」
「はい?(いい笑顔)」
「遊びだけじゃなくて・・・・・ちゃんと・・・・したことも・・・・」
「ほほぉ・・・・で、何を?(とってもいい笑顔)」
「いや・・・例えば・・・・仕事・・・・・とか・・・」
「ほおおおおおお。それは感心ですな。仕事、をですか(怖いくらいのいい笑顔)」
「あ・・・あの・・ね・・・・・」
「ユウリ殿(超絶☆笑顔)」
「ハイ」
「今夜は長くなりそうですので明日の政務は少し遅めからの開始とさせていただきます。よろしいですかな?」
「・・・・・・・・・・・」
「返事はっ!!!」
「ハイィイ!!!!!」
こうしてユウリにとって長く厳しい夜は幕を明けたのであった・・・・・。
- end -
2013-11-23
「夢見茶屋」の絢辻橙子様から、サイト再開祝いに頂いた作品です。(2008.7.12UP)
こんなシュウ兄さんも大好きです!
ユウリ君もいい性格しててとっても楽しいですし。
絢辻様、ありがとうございました!!