メリークリスマス 後篇

そしてお互い抱き合う。

「……っぅ、ん」

そのまま抱き合っていた天斗の手が暫くすると幸平の服の中を弄ってきた。そして指が乳首を掠める。
それだけでピクリと体を震わせた幸平に軽くキスをしてくると、天斗は服を捲り上げ、既に硬く尖り始めた突起に唇を這わせた。

「ぅ、あ」

乳首を咥えたまま、口の中で舌を使って突かれたり吸われたりする度に幸平の体がピクリと震える。

「お前ほんとここ、好きな？」
「う、るさ……っぁ、ん」

出したくもないような変な声が出てしまうのが恥ずかしく、幸平は手で口を覆った。すると「んなことしたって無駄。それに隙だらけんなるぜ？」と天斗がニヤリと言ってくる。
涙目になってそんな天斗をジロリと睨むも、気にした様子もない。そして天斗の手が下へ動いた。
そのまま手早く履いているものを脱がされる。
天斗はまだきちんと白いスーツを着たままだと言うのに、幸平は捲り上げられたシャツ以外何も着ていない状態にさせられ、更に真っ赤になった。

「何恥ずかしがってんだよ、まだ慣れねーのな？」
「っ慣れるか……っぁひっ、や」

言い返している途中でやんわりとペニスを握られ、思わず声が漏れた。

「ほら、無駄」
「っぅ、ううっ、っん」

無駄だと言いながらゆるゆると扱いてくる天斗をまた睨みつけながら、幸平は慌てて手でまた口を覆う。
だが天斗の手が寄こす刺激に、切なげな声がどうしても指の間から漏れていく。

「ぅ、んん、んんんっ、ふ、ぅっ」

上下に扱きながらも天斗の指が裏筋から尿道口へと這わされ、堪らなくなる。

「声必死に抑えても、下やべーぞ？んなに濡らして、エロいんだよ、幸」
「っぅううっ」
「おら、そんな濡れた目で見るな。煽られる」

天斗が言いながらまたキスを落としてきた。だが幸平が口を手で覆っているので手の甲に唇の感触を感じる。
思わず手を緩めると、空いた方の手でどけられ、改めてキスをされた。

「っん、ん」

そして相変わらず幸平のペニスを甚振っていた天斗の指が更に下へと這っていく。
玉から蟻の門渡りへと這わされた指が時折少し強めに押してくる。

「っんぁ、っひ」

その度に体を震わせ声が漏れる幸平は、口を覆いたくとも天斗が何度もしてくるキスのせいで出来ずにいた。

「お前の、すげー濡れてる。下までつたってんぜ」
「ぅうっ、言……っぁあっ」

その指が幸平の後孔の周りをヌルヌルと這う。それだけでも幸平はゾクゾクとした思いに駆られた。

「ひくついてんぞ？」

天斗が楽しげに囁くとまたキスをしてきた。そのまま入り口をとんとんと軽くつつかれた後でゆっくりと指が幸平の中に入ってきた。

「んんんっ」
「……お前の中が俺の指、すげー絡めてくんだけど」
「っぁ、う、っう、う……っん」

中で蠢く指がゆっくりと引いていく度にゾワリとした感覚が幸平を襲った。全身に鳥肌が立ちそうになる。そして快楽に溺れておかしくなりそうになる。
その指が３本に増える頃には、声を抑える事すら忘れていた。

「っぁ、も……っ、おねが……っ、そこじゃ、な……っ」
「んん？んだよそんなに体よじらせて……？」
「って……っ！天っ斗がっぁ、わざ、と……っんっ」

中で襞をなぞるように這う指は、バラバラと動きながらも幸平の弱い部分には触れてこなかった。

「わざと、何……？」
「っぅ、う……っは、あっも、やだ、おねが……」
「何お願いしてんだ？言ってみろよ……？」
「っんや……ぅう、て……んと、嫌いだ……っ」

幸平は涙で濡れた目でキッと天斗を睨むがそんな表情すら天斗を煽るだけだった。

「……ん？」
「っう、ぅ……天斗のが、欲しい……っ、お願い、も、挿れて……っ」
「んーもう一声ってとこだが、まあ、及第点、だな」

天斗はニヤリと笑うとゆっくり指を抜いてきた。

「っんぁ」

ぞろりと指が抜ける感覚に幸平はビクビクと体を震わせた。
そして次の瞬間息がとまりそうになる。

「っん、お前の……、相変わらず、キツ……」
「ぁ、あ、ああっあひっ」

天斗の硬く猛ったペニスがゆっくりと幸平の中に入ってくる。それがみっちりと幸平の中を完全に満たした瞬間、幸平のペニスから白濁した液が勢いよく飛び出た。

「んだ？トコロテン？可愛いな」
「っぅく、バカ、やろー……っ、っあ、ちょ、待っ……、おれ、イったばか……っひ、ぁっ、ああっ」
「仕方ねーだろ、俺挿れたばっかなんだぜ……？っん」

射精したばかりで体の震えがまだ止まってない幸平の中を、天斗の猛ったペニスが容赦なく突いてくる。そのカリが幸平の弱い部分を掠る度に幸平の背中からまたゾワリと堪らない感覚が走る。そしてそれが引いていく度に排便にも似た、だが表現しがたい快楽が幸平を襲ってきた。

「っも、待っ……っぁあ、あっああっ」

ゆっくりとした天斗の動きがどんどんと激しさを増して行く。
もう、ムリ……。
稲妻が走ったような感覚に襲われ幸平の脳内が真っ白になった。



目が覚めると辺りは真っ暗になっていた。

「目、覚めたか」
「……ぁ？……あ、おれ……っつ」

ぼんやりしたまま起き上がり、幸平は腰の痛みに顔をしかめた。

「あんま無理すんな」
「……ぅ。って無理させた本人が何言ってんの……」

まだ少しぼんやりした頭で薄暗い中、天斗を見ると「これ、ありがとうな」と言って何かを差し出してきた。
ん、と目を落とすと淡い色で光る中、ほんのりピンク色の雪が舞う小さなスノードームが天斗の手の上に乗っていた。

渡そうかどうしようか逡巡していたもの。

「開けちゃったの？」
「わりーな」
「……ううん、良い。……気に入ってくれた？」

男が男にプレゼントするようなものじゃないと幸平自身分かっていた。
だがあまりにもそれが綺麗で、そして。

「ああ。……まるで桜の花びらが舞ってるようだな」

天斗が優しげに微笑む。

分かってくれた。
幸平もニッコリと微笑んだ。

大好きだよ。その想いをこめて囁く。

「メリークリスマス」

- continue -

2014-1-25

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