ジャ―――…パシャッパシャッ……
…ん……? あ!! ご主人様もう起きてるじゃないっ!! 顔洗ってるし!
あぁ――……また起こせなかったぁ〜…。
何でいつも目覚ましも何もかけてないのに、こんなに早く起きれるのかしら。 だって、まだ薄暗いのよ? お日さまがちょっと顔出した位なんだから! 夜寝るのがすごく遅い時だってあるのに、起きる時間だけは変わらないのよね。
ガタ…ッ
あ、ご主人様はね、いつも起きたらすぐに顔を洗って、服を着替えてから髪をとくのよ。今はちょうど着替えてるところ。あたしも顔とかきれいにしよ〜っと。
よしっ! これで終わり!! ちょうどご主人様も準備が終わったみたいだから、あいさつに行こっ♪
おはようございます、ご主人様vv
「起きたのか。…おいで、葛」
なんですか? んにゃ〜…きもちい〜……。
「…これでいいだろう」
毛をといてくださったんですね! ありがとうございます!
あ――…気持ちよかったぁ。
「俺はしばらく仕事をするが…お前はどうする?」
もちろんここにいます。ご主人様がお仕事してる姿見るの好きですから。
「じゃあ、好きなところにいろ」
は〜い!
…コトッ
「…そろそろか」
そろそろですか?
「葛、俺は食事に行くが……」
その前にセイを起こしに行くんですよね?
「お前も散歩に行くか?」
あ、はい!
「食事の用意をしておくから、帰ってきたら食べろよ」
は〜い。
ガチャ…ッ
「行って来い」
ありがとうございます〜。
カツカツカツ…
今日もいつもと同じ。いつもと同じ朝が来た。
ご主人様もいつもと同じ! いつもと同じでとってもかっこいい!!
でも、あたし、いつもと同じで今日もご主人様を起こしてあげられなかった。
……いつか、ご主人様を起こしてあげられる日が来るかしら?
1度だけでもいいから、やってみたいな♪
『おはようございます、ご主人様♪』って。
- end -
2016-8-21
2000.11.18にUPしていたものを、今回修正しました。
それぞれが朝、目覚めたときの物語です。
葛視点はやっぱり会話や音、気持ちばっかりになりますね〜。
状況がわかりにくくてすみません(汗)
『1日の始まり』シリーズになっております。
このほかに、セイ、シュウ(表)、シュウ(裏)、ティセ、ミオ、ユウトのバージョンがあります。
屑深星夜 2008.5.17に修正(2016.8.21修正)